2013年1月15日火曜日

演奏















とっても気もちよさそうに布団に沈み込んでおりました。ミケさん。

昨日はすごい大雪だったそうで。朝型のわたしとしては珍しくお昼近くに目覚めたら、窓の外は見事な雪景色でした。もはや寝ているときより夢見心地で、外に出る用事もなかったので一日中うちの中でふわふわとした心もちでネット見たり楽器に触ったり、呑気に過ごしておりました。大変な目に遭われた人も少なくなかったようですが。

未だ体調万全とは言えず読書には集中できなかったりするし、夜遊びなどはもっての外ですが、ずいぶんと普段の調子が戻ってきました。日常の小さな幸せを噛みしめてはそうっと歩いている今日この頃です。土曜日は一緒にランチしたあと友人が家に遊びに来てくれて、日曜日は仕事に行って。特に土曜日の夜はよく発酵して膨らんだパン種のようなほっこりした心持ちになれました。友人の心遣いが本当にありがたかったです。もちろん同僚の皆様のお気遣いも。

その前日、金曜の夜に、ネットのユーストリームで途中から見たライブが強烈な印象で記憶に刻み込まれました。喉の調子が悪くて普通に声を出すのも辛そうなその人は、入場無料のワンマンライブで、暖房もないという寒い中、いつもより枯らした声で、時に辛そうに、それでも力強く夜十時すぎまで歌っていて、最後の方は回線がパンクしちゃったのか途切れ途切れにしか観れなかったけど、どうしてもライブの終わりまで見届けずにはいられませんでした。どうして歌うのか、何のために歌うのか、そして自分はこの人と比べて何とちっぽけな動機で弾き語りに向き合っているのか。宿題を出されたようなライブでした。 「自分はアーティストだ」とその人は言っていたけど、本当にその言葉通りだなと感じさせられました。「この程度の歌しか作って来れなかった この程度の歌しか演れなかった それが確認出来て 有意義な始まりだった」と後にツイートしていたけど、この人が視野に入れている高みはどれほどのものなのか…。凄まじい演奏でした。そして、天才とは身近にいたら迷惑な人だ、という意見に一票(笑)大変だ、ありゃ。まあ、誰の人生だって、それぞれ多様に大変ですけどね。

いつだったか、新年が明けてから、一人きりでの昼ごはんの最中に、秋にネットで買ったけどずっと観る余裕がなかったCDシングルのおまけDVDを軽い気もちで観始めたら、あんまりにも素晴らしくてごはんを食べた気がまるでしなくって、食べ終えて最後の方は台所で立ちあがって跳ねそうになってました。これも凄かった。プロフェッショナルの演奏技術を駆使したエンターテインメントに胸が高鳴りました。

昨年の自分の音楽活動を何とはなしに振り返ってみると、中心はやはりキスミワコちゃんの「バッハーンandミー」での演奏活動でした。冬からぼちぼち始めたキスミー宅での練習に始まり、初夏から秋にかけてのライブ。ミワコちゃんを始めとするメンバーみんな、大好きです。「ふえとゆみとばちとえふで」でも濃密な体験をさせてもらいました。感謝。ソロでも、ライブとお試しレコーディング体験ができて、周りの人の理解と協力あってこその一年だったと思います。関わってくれた人全員にお礼が言いたいです。あっそして心酔しているバンド「ホライズン山下宅配便」のワンコインシングル「期待」とアルバム「りぼん」に何故かわずかながらも参加できてしまったことは、大変大きな喜びでした。発売こそ去年でしたが、レコーディング自体は一昨年にまで遡るんですけどね。ホライズンのメンバー4人の組み合わせの妙ときたら、天下一品だと思っています。関わって下さった全ての皆様、諸々ありがとうございました。

わたしは音楽を演奏するという山の高みを考えたとき、まだまだ、裾野で無邪気に時折ハイキングしているような呑気者であり、いちアーティストではなく、単なる生活者だと自分のことを考えていますが、それでも、こういった形で音楽に関わることができていることは光栄で、恵まれているなと素直に思えます。バンドマン、ミュージシャンであると胸を張って言える程ではまだないけれど、音楽好きで演奏したがりの自分を、特にキスミーの五日連続ツアーライブでは、改めて、嫌というほど思い知りました。 ツアー全日程に同行してくれた、チイサイカイシャの一員であり音楽に精通している村上大樹さんと、オノヨーコさんを引き合いに出して「キチガイ」呼ばわりされるほどに打ち解けられたこと、そしてもちろんキスミーの強さ優しさ、弱さも含めてこれまで以上に親しく付き合えたこと。それはもう、生活の合間にギュッと絞った濃厚なエッセンスを味わうかのような貴重な体験でした。

昨日、音楽を通じた知人の方の「じきにこの雪景色とさよならなのねと思うと、寂しい気持ちがないわけでもない」というツイートを見て、共感すると同時に、雪景色という言葉を人生に置き換えることも可能だなと感じ入りました。平凡で退屈な日常ですら、本当は、特別なことなんだなと改めて思うし、もはや平和ではない、かもしれないこの日本のという国において、有限な人生を、可能な限り丁寧に味わい尽くしていけたらなと思います。


追記 三月には鈴木miyamo伸明で無善寺でライブしたりもしましたね、そういえば。鈴木さんどうもありがとう。

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