2018年7月23日月曜日

「夢」

夏が熱いですね。わたしの飲みかけのグラスにミケさんが手を突っ込んで倒してこぼれたお茶と氷をひたすらなめてました。必死すぎてもはや叱ろうという気にもなれない午前八時です。

一週間前、イースタンの吉野さんのお誕生日を勝手に祝うライブで、サガイユウヤくんのバンド「真夜中に僕ら」(←わたしの曲名からパクられた)で二曲演奏をお手伝いして、「矯正視力〇.六」のカバーで鍵盤コーラスと、あと音色でやってた「光」という曲をウクレレボーカルでやらせてもらいました。バンドで鍵盤コーラスやろうか?笑、みたいな話は年末くらいに出てたんだけど、今回「矯正視力」やりませんか?とサガイくんからメールもらって、最初ちょっと返事を待ってもらったんです。だって小谷美紗子だよ?普段から鍵盤さわってもいないのにハードルが高すぎやしないかと。そして実際に聴いて確認してみたところ、不安は的中して、まず、キーがBでした。楽譜で言うと#が五個ついてるわけです。子供の頃エレクトーンをやってたから音感がなくもないけど中途半端で、音程が相対的にしかわからなくて、逆に言えば、簡単な曲だったらキーをCに変換してコードを大ざっぱに把握したりは考えずにできるんだけど、#五個とか脳みそが対応できなくて。コードの感じはついキーがCでイメージしてしまうし、そこから半音下げでしかも和音で弾くだなんて(クラリネットだと和音じゃないからどうにか対応できてたんです。この言い方で伝わるだろうか)、断った方がいいかなと数日悩みましたが、やってみたい好奇心に抗えず。しかし実際のところ、予想をはるかに超えて大変でした。部屋で一人でなんとな~く弾けるようになってきても、スタジオで轟音の中でやると全然できなかったり、ましてコーラスなんてやろうもんならすぐ手が止まっちゃうし、スピーカーから聞こえる自分の音のデカさにびびってついついボリューム下げたくなっちゃうし。バンドでキーボード女子♡なんて浮かれた気持ちはどこへやら、当日はもはや発表会の子供状態でガチガチでした。一回目のスタジオ練のあと、サガイくんが「光」もやりましょう!と言ってくれて、初めて4人で合わせたときは、こんな、ロックバンドのボーカルみたいなことを自分がやれるだなんて!とマジで感動しましたが、本番は緊張しすぎたのか声が上手く出せなくなってしまって、楽器だとまだはったりがきくのだけれど、声は本当にごまかせないなと改めて実感。そういや昔はひきがたりライブの度にそんなような状態だったなと思い出したり。けど、やらせてもらって本当によかったです。今の自分ができるようになってたこと、なんとなくできるような気がしてたけどいざやってみると非常に難しかったこと、そして周りの人が当たり前のようにやっていることのすごさ、などなどいろんなことを感じて、とてもいい経験をさせてもらいました。出番を終えた直後、DJ虚弱さんが小谷さんの「東京」をかけて下さって、畏れ多くも感動でした。
小谷さんを知ったのはちょうど十年くらい前で、Qurageの森くん(今はのら珈琲の店主でもある)のお薦めでアルバムを何枚か聴いてて、今自分がSSW的な立場から改めて小谷さんの音楽と向き合ったら、凄さが身に沁みました。この曲、雰囲気は好きだけどけっこう歌詞えぐいよな~とか当時は思ってましたが、今聴くと、バンドの演奏のかっこよさも半端ないし、こんな曲を作れるってとんでもないことだなと。「矯正視力」のピアノは、自分にできる範囲で参考にさせて頂きましたが、和音の選び方や演奏の足し算引き算が実にかっこよくて、そんであの声。リスペクトしかないです。もはや尊い。そして、Qurageでサポート始めた頃は、森くんの曲はキーが簡単で2コードだったりして把握しやすかったし、音数の少ない中のびのび好きにやらせてもらえて、それって好条件が重なってたんだなと改めて思いました。そしてゾンフォーにつながりができて。今回、期せずして自分の音楽活動を振り返る(なんて書くと大げさですが)ことにもなったような気がしてます。

少し話は飛びますが、この春いろいろ大変だった頃に読んだ本で目にした言葉がおぼろに心に残ってて、あれどの本だったかな~と先週ぼんやり考えててなんとなく思い出した翌日まさにその本が返却されてきたので、休憩時間に借りて確認しました。かつてゴーイングアンダーグラウンドのドラマーだった方の言葉で、

「三十を過ぎても、四十を過ぎても、バンドをやっている人というのは、どこか夢の中に生きている。 そのことが今はよくわかる。」

いろいろ考えさせられます。
「真夜中に僕ら」お手伝いさせてもらって、ロックバンドという夢に混ぜてもらえたようで、光栄でした。ありがとう。

 さて。明後日はおとなりです!是非!かわづくんのツイッタから画像を勝手に拝借。かわいい。





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